何度も苦杯をなめた
投資歴は二十年を超えました。株式取引から始まり、FX、CFD、先物・オプション、信用取引…と、ひととおりの取引を経験してきました。
その間、大きな失敗を何度も繰り返し、そのたびに相場から退場するという経験を味わってきました。
1銘柄で、約920万円のロスカットもありました
取り戻そうとして、また失う
最初はルール通りだったはずの取引が、含み損を抱えた瞬間に狂い始めます。「待てば戻る」と損切りを先延ばしにし、下落が深まると現実から目を背ける。膨らむ損失に焦り、「何としても全部取り戻す」と根拠のないナンピンを重ねる。そこに戦略はなく、ただ「負けを認めたくない」、「損は絶対しない」という感情があるのみでした。
完全に相場と意地を張っていたのだと思います。「間違っているのは相場だ」と思い込み、悔しさと執着から、復讐心に近い感情で取引量やレバレッジを増やしていく。本来なら撤退すべき局面で逆にリスクを跳ね上げ、無謀な勝負に出ては、さらなる損失を重ねていきました。
やってはいけないと頭では分かっていても、渦中に立つと衝動を抑えられない。時間をかけてコツコツ積んだ利益を、たった一度の愚行で吹き飛ばし、さらに損失を雪だるまのように増やしていきました。私はこの過ち(コツコツドカン)を、何度も繰り返してきました。
LC通知は、一度や二度ではありませんでした
相場が悪かったのではない
失敗を重ねるたび、チャートやニュース、ファンダメンタルズの勉強に没頭しました。しかし、どれほど知識を深めても同じ過ちを繰り返す中で、ある事実に気づかされます。
「相場は何も間違ってない。」
思い通りにならないのが当たり前なのです。間違っていたのは、「自分は損はしない、負けない」という根拠なき過信でした。
私が知らなかった「自分の癖」
振り返れば、私には明確な投資行動パターンがありました。損失を嫌い、負ければ熱くなり、周りに焦り、都合のよい情報ばかり集めてルールを破る。これらはすべて、行動ファイナンスで証明されている人間の心理傾向です。
損切りを拒む「プロスペクト理論(損失回避)」、感情的に倍賭けする「リベンジトレード」、都合の良い情報だけを見る「確証バイアス」、そして自分を特別だと思う「過信バイアス」。私は「相場の上げ下げ」ばかりを追いかけ、「自分がどう感情で動く人間か」を全く理解していなかったのです。これこそが、高い勉強代でした。
相場の未来は分からない。だが、自分の行動は読める
明日の値動きを100%当てる者など存在しません。だからこそ「相場を当てること」だけに固執するのは無意味です。
相場の未来は分からなくとも、自分が危機に直面したときの「行動の癖」なら予測できます。己の傾向をあらかじめ知っておくこと。それこそが、感情に呑まれず相場と長く付き合っていく術だと考えています。
そこで、今回このセルフ診断ツールを作りました
この「投資心理・行動セルフチェック」は、「あなたは投資に向いている」「向いていない」を判定するものではありません。
質問を通して、あなたがどのような場面で判断を急ぎやすいのか、周囲の影響をどれほど受けやすいのか、損失に対してどう反応しやすいのか。そうした、投資行動につながりうる自分自身の心理・行動の傾向を数字で可視化し、振り返るのが目的です。
投資の経験がない方でも答えられるよう、難しい金融用語はできる限り避け、日常生活の中の具体的な場面を中心に構成しました。
所要時間は3つの分析レベルによって、およそ2~8分です。これから投資を始めようとしている方も、すでに投資をされている方も、一度、ご自身の「癖」を再認識してみてください。
最後に
この分析結果で、何か特別な「正解」が見つかるわけではありません。
人によって性格も、置かれている生活環境も、資産の状況も違います。当然、リスク許容度も人それぞれです。
具体的な投資判断や、ご自身に合ったリスク管理については、置かれた状況を踏まえたうえで、必要に応じて金融の専門家などにご相談ください。このセルフチェックは、そのための良い判断材料になるかもしれません。
かつての私のように、「自分のことをよく知らないまま、相場を当てることだけに目を向けていた」という方には、一度、ご自身を振り返ってみていただき、リスク許容度にあった取引ルールを作成するための一助になれば幸いです。
相場は、こちらの都合で動いてはくれません。これから先も、相場を当てることよりも、自分がどう行動する人間なのかを知り、リスク管理を大切にしていきたいと考えています。
免責事項
本ツールは、運営者自身の投資経験および心理学・行動ファイナンス等の知見を参考に独自に作成したものであり、学術的に確立された心理検査ではありません。
分析結果は自己理解や振り返りのための参考情報としてご利用ください。
本ツールは、特定の金融商品・金融サービスの購入、売却、保有、資産配分等を推奨・助言するものではありません。また、分析結果によって投資成果が改善することや、損失を防げることを保証するものでもありません。
投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行ってください。
参考:損失回避・処分効果・リベンジトレード・確証バイアス・過信バイアス等の用語は、行動ファイナンスの一般的な知見に基づいています(野村證券「基礎から学べる行動ファイナンス」、一橋大学ファイナンス用語集ほか)。
