NISA 2026 全6回シリーズ・第2回 | 公開データ基準:金融庁「NISA口座の利用状況調査」(2025年12月末時点)/公表日:2026年7月3日
慧(けい)

前回、NISAには異なる「けん引役」がいることが見えてきました。口座数で見ると50代、人口あたりの普及率で見ると30代です。
では、実際に投じられた「金額」で見たら、主たるけん引役はどの年代でしょうか?

おさらい:NISA口座数は50代、世代別人口から見た普及率は30代だった

第1回で見た通り、NISA口座数は50代が553万1,813口座で最多。一方、年代別の人口で割った普及率では、30代が37.5%でトップでした。

では、口座の「数」ではなく、実際に投じられた「金額」で見るとどうなるでしょう?

累計投資額で見ると?

金融庁のデータには、2014年から2025年までの年代別・累計買付額も記録されています。これを見ると、意外な結果になります。

年代 累計買付額(2014〜2025年)
10代 640億9,028万円
20代 4兆1,470億5,148万円
30代 10兆6,596億648万円
40代 13兆1,299億8,389万円
50代 14兆2,057億6,268万円
60代 15兆62億380万円
70代 10兆7,814億952万円
80代以上 3兆3,789億7,150万円
年代別 累計買付額(2014〜2025年)
10代 0.06兆円 20代 4.15兆円 30代 10.66兆円 40代 13.13兆円 50代 14.21兆円 60代 15.01兆円 70代 10.78兆円 80代以上 3.38兆円 0兆円 16兆円
累計投資額トップ(60代) その他の年代
金融庁「NISA口座の利用状況(2025年12月末時点)」年代別・累計買付額より作成。

口座数では50代が最多。でも、実際に投じられた金額の合計では、60代が15兆円で最も大きくなっています。

1口座あたりの平均買い付け額で見たら?

年代ごとに口座数が違うので、累計買付額を口座数で割って「1口座あたりの平均投資額」を出してみます。

年代 1口座あたり平均累計投資額
10代 47.7万円
20代 123.1万円
30代 215.5万円
40代 244.0万円
50代 256.8万円
60代 359.4万円
70代 350.3万円
80代以上 212.4万円
年代別 1口座あたり平均累計投資額
10代 47.7万円 20代 123.1万円 30代 215.5万円 40代 244.0万円 50代 256.8万円 60代 359.4万円 70代 350.3万円 80代以上 212.4万円 0万円 400万円
平均投資額トップ(60代) その他の年代
累計買付額 ÷ 口座数(各年代)。金融庁データより作成。

2025年も、60代がトップだった

累計ではなく、2025年の1年間だけに絞った新規買付額でも確認してみます。

年代 2025年・1口座あたり新規買付額
10代 20.8万円
20代 37.6万円
30代 66.5万円
40代 72.6万円
50代 75.0万円
60代 81.4万円
70代 67.0万円
80代以上 41.0万円
年代別 2025年・1口座あたり新規買付額
10代 20.8万円 20代 37.6万円 30代 66.5万円 40代 72.6万円 50代 75.0万円 60代 81.4万円 70代 67.0万円 80代以上 41.0万円 0万円 90万円
2025年トップ(60代) その他の年代
2025年中の新規買付額 ÷ 口座数(各年代)。金融庁データより作成。

累計でも、2025年単年でも、1口座あたりの投資額がもっとも大きいのは60代でした。

なぜ60代なのか?

推測の域を出ませんが、考えられる理由はいくつかあります。退職金や、それまでの貯蓄を、まとまった資金として一括投資に回すケースが60代では多いと推測されます。また、住宅ローンや教育費といった大きな支出が一段落し、投資に回せる余剰資金が増える年代と言えます。

いずれも仮説であり、金融庁のこのデータだけでは「なぜ」までは特定できません。ただ、40代・50代が子育てや住宅ローン費で投資余力を制約されがちな一方、60代はそうしたブレーキが緩む——というのは、一定の説得力があると思います。

NISAの3つの異なる顔

ここまでの結果を、指標ごとに並べてみます。

指標 1位の年代 数値
口座数(実数) 50代 553万1,813口座
普及率(人口比) 30代 37.5%
1口座あたり投資額 60代 359.4万円

「NISAの主役は一つ」というわけではありません。どの数字を見るかによって、見えてくる顔は異なり、NISAの景色もまったく違ってきます。

2025年NISAを読み解く

シリーズ全6回
  • 0150代が主役?NISA累計71兆円の正体。2,821万口座を、数字から読み解く
  • 0250代でも30代でもない。NISAで一番投資している年代は?(今回)
  • 03年間買付額の分布を見る
  • 04成長投資枠とつみたて投資枠を見る
  • 05日本人が実際に何を買ったのか
  • 06結局、NISAは成功しているのか?
慧(けい)

口座数で見れば50代。人口あたりの普及率で見れば30代。そして、実際に投じた金額で見れば60代が主役でした。

同じ「年代別データ」でも、切り口を変えるだけで、まったく違う顔が見えてきます。NISAという一つの制度の中に、世代ごとにまったく異なる使われ方が同居しているということです。世代別ライフステージの変化で、うまくNISAを使い分けているとも言えます。

次回は、視点を変えて「金額」そのものの分布——2025年に、実際にどれくらいの買付が行われていたかを、年代別に見ていきます。

■ データソース・免責事項

金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和7年12月末時点)」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20260703.html
金融庁公表Excel「NISA口座の利用状況(2025年12月末時点)」

本記事内の数値は、上記の金融庁公表データをもとに、運営者が確認・算出したものです。ただし、以下の点にご留意ください。

  • 本記事で使用しているデータは速報値です。金融機関からの報告内容の変更や訂正により、後日公表される確報値と数値が異なる場合があります。
  • 「1口座あたり平均投資額」は、年代別の累計買付額・新規買付額を、同年代の口座数で単純に割った運営者独自の算出値です。実際の口座ごとの投資額を示すものではありません。
  • 累計買付額は2014年からの積み上げであり、口座開設の時期や投資期間の長さが年代によって異なる可能性があります。年代間の単純な比較には、この点をご留意ください。
  • 記事中の数値・図表は作成時点のものであり、その後の追加公表・訂正を反映していない場合があります。
  • 内容については可能な限り精査していますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最新かつ正式な数値は、必ず金融庁の公式発表ページをご確認ください。
  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・投資手法を推奨するものではありません。投資に関する最終的なご判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。